中国携帯事情

テクノロジーが各国で普及しているなかで、そこに付随する国民性の違いから、ケータイに託される価値観や利用の様式もそれぞれ異なります。現在、中国のケータイ利用に関する社会学的影響についての質的研究を進めていますが、そこで行う日常の綿密な観察や、利用履歴の採集・インタビューを通して、中国人の「ケータイ感性」をメッセージにしつつ、その社会文化的解釈を試みています。

中国でのケータイはこれまでビジネス層を中心に普及してきましたが、この2、3年の間で大学生を中心としたユーザー層が増えつつ、中国のケータイ利用をリードしている傾向にある。中でも特に短信(ドゥンシン:ショートメールサービスの中国語)が最も普及しています。

中国では「双方向課金」という料金徴収システムを採用していますので、発信する時も受信されるときも同額の通話料金が発生します。これに対して、短信は約0.10元(1.5円)/(100字以内)で通話料金の0.40元/分間(約6円)の1/4です。中国人、特に大学生達がこのような料金の差をねらって、緊急な要件以外は短信をフルに利用している。

ORF会場では、上記のような産業的背景をふまえて、中国と日本のケータイ利用の差異を「所有意識」と「デザイン」の2点から比較しています。その題材と成りうる中国のケータイ端末や、ケータイ利用の日常を映像化したものも展示しています。

担当者:華 金玲(慶応義塾大学政策・メディア研究科 後期博士課程 2年)